漫画が好きだったのさ
漫画は好きでしたが、読むのは雑誌が中心でした。
当時の楽しみは、床屋で読む『少年マガジン』と『少年サンデー』です。
マガジンでは、
「デビルマン」「バイオレンスジャック」「おれは鉄平」「フットボール鷹」「天才バカボン」「ワダチ」「うしろの百太郎」「空手バカ一代」「三つ目がとおる」。
そして時おり掲載される、水島新司の短編漫画(「野球狂の詩」)も楽しみでした。
サンデーでは、
「漂流教室」「プロゴルファー猿」「人造人間キカイダー」「ザ・ムーン」「おれは直角」「男組」「ダメおやじ」。
そして、ときどき載る松本零士の「戦場まんがシリーズ」が楽しみでした。
小学生になり、親から小遣いをもらうようになると、単行本を買うようになります。
最初に手に取ったのは「巨人の星」や「あしたのジョー」といったスポーツ漫画でした。
当時はテレビアニメでも放送されており、すでに馴染みのある作品です。
カッコいいスポーツマンへの憧れはありました。
しかし、いかんせん私は太っており、その憧れはどこか遠い世界のもののようにも感じていました。
それでも漫画は読み続けました。
太っていても、漫画は読めるのです。
そして、出会ってしまいます。
その後の人生をすべて変えたと言っても過言ではない漫画に。
手塚治虫の「バンパイヤ」です。
ストーリーの面白さはもちろんですが、
白と黒のコントラスト、コマ割りによる表現、動いていないのに動いて見える絵、
さらには見逃してしまうほど小さく描かれたジョーク。
すべてが洗練され、どこか洒落て見えました。
そして表紙に書かれていた、見慣れない文字。
「SF」。
テレビの特撮番組は好きでよく観ていましたが、
「SF」というジャンルを示す言葉に出会ったのは、このときが初めてでした。
ああ、こういうものをSFというのか。
ここから私は「SF」という言葉を意識するようになり、
手塚治虫のほかの作品、石森章太郎、松本零士、永井豪の漫画を読むようになっていきます。